アプ活史上、過去イチしんどいデート 無口男の“アプ活歴”にゾッとした…
マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。
リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。
私は、毎日マッチングしながら、2人の男性が気になっていました。「6割妻夫木聡」くんからのLINEがこない、そして良い人そうな「千葉男」とももう一度会ってみたい。
そんななか、今回、マッチングした男性は、過去最高にしんどいデートとなったのです…。
■1日に最高”5ステ”のときも
私のマッチングアプリ生活は盛り上がっており、1日3ステ入れることが多くなっていました。3ステというのは、私が呼んでいる言いかたなのですが「1日3人の男性とデートする」ということです。そんなことが可能なのが、マッチングアプリ。調子のいい時は、5ステなんてことも。ランチ前のお茶→ランチ→お茶→ディナー→帰ってきてビデオ通話。これが5ステです。
気になる2人とは交際には至っていないし、どうなるかもわからない。だったら、とにかく行動だ! と、他のステージを増やしていました。それが無駄ステージに終わることが多かったとしても…。
本当は、6割妻夫木聡くんとイチャイチャしたい、それか、千葉男とお茶したい。しかし、2人ともあまりLINEがこない…。なので、オーソドックスアプリでマッチングした人と、今日はデート。
彼の写真の印象は、とてもおとなしそうな雰囲気。趣味は読書とのこと。文学青年は好きなので、私から誘いました。中野駅にお昼に待ち合わせ。中野というところがまた読書好きな感じがして楽しみだったのです。
関連記事:アプ活で会ったイケメン男子の“束縛”の真意は…? 「私は騙されない」と誓うも…
■聞こえない
彼は、時間に遅れることなく、待ち合わせ場所に現れました。
私「はじめまして」
彼「よろしくお願いします…」
私「よろしくお願いします、お昼食べます?」
彼「は…」
私「えっと、ブロードウェイとかとりあえず行きますか」
彼「は…」
…聞こえない。声が小さすぎて聞こえない。おとなしそうなんてレベルではなく、数十年ぶりに人に会ったのかな? という感じ。
「今日は、けっこうがんばらないとキツいぞ」と、覚悟を決めました。早く切り上げることになりそうだし…と、お店を私が決め、芸人友達とよく行く純喫茶に入りました。
会話が弾まないことはマッチングアプリデートではよくあることです。これまで相槌を打つだけの男性、マニュアルどうりに話すだけの男性もいましたが…今回のこの彼は、なんというか、会話にもなっていない。とにかく、聞こえないのです。
「読書が好きなんですよね」「お仕事は何系ですか?」「中野よく来られるんですか?」の質問に、すべて「は…」と返答。呼吸しかしてない。もう一度聞くのもまどろっこしいし、もうちょっとテンションあげてくれよ…。まだ時間は15分も経っていませんでした。
関連記事:アプ活で会った「強制的1000円ランチ男」 駅のホームで叫ばれた恐怖体験
■声微量文学男
どういうつもりなんだろう? 本当に数十年間、人に会っていないのかな? 私の見た目がものすごい嫌いで怒っているとか?
「仕事は、IT系です、リモートばかりで」 いきなり時差があって返事をしてきました。そうなんですね、と、私は言いながらその感じでITというのは偏見ですが意外でした。リモートばかりっていうのも、やはり無口になる1つの原因なのだろうか。
「本は、夏目漱石が好きです」 また時差があって返ってきました。私のテンポが早すぎるのか、もしかしたら、お互い流れてる時間の感覚が違うのかもしれません。夏目漱石なら、私は少しいけます。私の振り幅のすごさ、まあ、ご覧くださいよ、コミュニケーション能力、最大限に発揮してみましょう。と、誰に向かってやってるかわかりませんが、腕が鳴りました。
「夏目漱石、私、大好きなんです。特に『こころ』。魅力的な物語ですよね。主人公と先生の視点の使い方が面白いし、男性の嫉妬が生々しく、また女性の狡さも垣間見え、私はあれを数回読んでしまいました。読めば読むほど感想が変わるというか、あれが人間関係の教科書というか、明治時代も令和も変わりませんよね、男女間のドロドロって」
決まった。まあ、こんなもんでしょう。私、カジュアル男とも会話できるし、文学青年ともレベル高い会話できる女なの。自分に惚れ惚れしていました。すると彼の反応は「…」。
無視。え、無視…? 頑張りましたけど? この人、この後も永遠にこうでした。何を話しても、会話になりませんでした。
- 1
- 2