『令和の虎』で反響呼んだ「月経ディスク」販売開始 生理用品に新たな選択肢を
日本初・国産の使い捨て「月経ディスク」を開発した向井桃子さんに、販売に至るまでのお話を伺いました。
昨年、YouTubeチャンネル『令和の虎』で「働く女性を生理のストレスから解放したい!」との思いで、日本未発売の生理用品「月経ディスク」をプレゼンした向井桃子さん。
使い捨てできる「国内製造の月経ディスク」を地元企業と協力して開発。紆余曲折あり…ようやく2月10日、月経ディスク「MOLARA」(モララ)のネット販売を開始しました。
今回は、向井さん自身が月経ディスクを知ったキッカケや、開発・販売に至るまでのお話を伺いました。
■『令和の虎』で大きな反響
同チャンネルの企画「Tiger Funding(タイガーファンディング)」では、志願者は事業計画をプレゼン。一流経営者が審査員(虎)となり、出資の可否を決定する…といったチャンネルですが、向井さんは志願者として登場(2022年1月に4回にわたり配信)。
生理用品「月経ディスク」について、自身が使用したことで気持ちが楽になった経験や、高い技術を誇る日本で製造した商品を世界に発信していきたい…との思いを語りました。
そして、提示した希望金額は2,000万円。大きな額ではありますが、向井さんのプレゼンに惹き込まれ完全ALL(達成)。
コメント欄でも応援の言葉のほか「純粋に知らないことを学べてすごいためになりました!」「苦しんでいる女性の為に商品化出来れば嬉しい」「この動画だけでもたくさんの女性が月経ディスクについて興味を持ち始めて広まってくれたら、 志願者も喜ぶだろうな」など大きな反響を集めました(2022年10月に先行予約開始。初回予約受付で700万円分の実績を達成しています)。
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■「月経ディスク」知っている人はおよそ3%
月経ディスクは、膣の奥の恥骨の裏に引っ掛けるように装着し、経血を溜める…という生理用品。生理用ナプキンやタンポンと比べ長時間装着でき、肌のムレやかぶれも起きにくく、温泉やアクティビティも楽しめる快適さも特徴のひとつです。
そもそも「月経ディスク」を知っているという人は、どれくらいいるのでしょうか。
fumumu編集部が10代~60代男女800名を対象に「月経ディスクを知っているか」の調査を行ったところ、「知っている」と答えたのは…わずか2.6%。
ほとんどの人が「知らない」「名前は聞いたことあるけど見たことはない」との回答となりました。
そのほか、アラフォーの筆者の周りでは「ディスク? フロッピーディスク?」「MD? 音楽聞くやつ?」と、“月経”よりも“ディスク”に引っ張られ、時代を感じる結果に…。
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■久しぶりの生理用ナプキンに「気持ち悪い…」
――女性同士でも、生理用品について話をする機会はなかなかないもの。さらに、日本のドラッグストアで販売されていない商品「月経ディスク」について、向井さん自身が知ったキッカケはなんだったのでしょう?
向井:2人の子供を出産しているんですが、2人目を出産後に1カ月くらい出血があって(※産褥期に起きる「悪露」)、久しぶりに生理用ナプキンを使ったらゴワゴワするし、嫌なニオイがするし「気持ち悪いな」って思ったんですね。
オーガニックのナプキンに変えてみたら、嫌なニオイがなくなって。周りの友人にもオススメしていたんですが、友人のひとりがアメリカから「月経ディスク」を取り寄せて使っていると教えてくれたことが、月経ディスクを知ったキッカケです。
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■コロナ禍での影響と、夫の事故
――月経ディスクを知り、自身で作り出したいと思うまでには、様々な転機があったといいます。もともと飲食店で働いていた向井さんは、育休をきっかけにアクセサリーの販売をはじめます。
パーティーなどで使用できるような大ぶりの商品を扱い、2年ほど順調にいっていたものの事態が大きく変わったことがあったとか。
向井:コロナウイルスの影響です。パーティーや結婚式などもなくなったことから、アクセサリーも全然売れなくなって。そんななかで、夫がバイク事故に巻き込まれて。今は回復しましたが、集中治療室に入っているような状況でした。
これまでの日常から、大きな変化がつづいた時に「これだと、誰も守れないな」と思ったんです。
コロナ禍では、様々な業種が“外的要因”に苦しめられるなかで「そういうのは関係なく必ず必要とされるもの…」と探し求めていたなかで出会ったのが「月経ディスク」。「これだ! これしかない!」と衝撃を受けたことを覚えています。