「イク」って本当にあるの? イクための心構え:アダルト業界関係者の喋り場

アダルト業界の作り手側で働く女・るいが、無限に広がる「性」の世界…ファンタジーを通して見る「リアルな性」の話を、本音でお伝えしていきます。

■精神的興奮を知ること

さて、この前提を踏まえて落ち着きを手に入れた上で、次に必要なのは、「自分の身体がどうやったら高まるのか知る」ことです。精神的な興奮は、イクことに直結します。ことオナニーでは、相手によって性的興奮が高まる、ということがないので、自分で性的興奮を高められるかどうかがイケるかどうかの重要なキーになります。

実際私も、高校生までは妄想や文字ベースでオナニーをしていましたが、なかなか上手くいかないことも多くありました。それが大学生になり、AVを見られるようになると、身体が興奮していることが自分でもわかり、イクまでのスピードが圧倒的に変わりました。自分の好きな映像だとなおさらです。要は、男性における「勃起」のようなものが女性にも必要であり、物理的な刺激だけではなく、精神的刺激でもその「勃起」は可能なのです。

以前も書きましたが、自分がAV関係者だからというわけではなく、AVなどで自分のエロにおける精神性を把握しておくことは性的興奮において相当な強みになると思います。そして「強みがある」ということは、またそれが頼みの綱になり、精神的な落ち着きをより一層高められるということです。「備えあれば憂いなし」、準備を万端にしている、ということが「イク」を受けいられる身体に近づけます。


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■怖がらず、ドンと構える

ここまで来たら、あとは「怖がらない」という部分です。「イク」というのは未知の感覚で、実際女優さんの撮影に立ち会っていても、「あまりに気持ち良すぎて、よく分からないけど泣いてしまった」ということがたまにあります。自分で自分の身体のコントロールができなくなるような状態なのです。

私自身も、セックス中になぜか涙が出ることがありますし、イクときに失禁してしまうこともあります。自分の意思ではどうすることもできないのです。そんな状態に自分を置くことに対して、恐怖心が起きることはごく当たり前のことです。それでも「イキたい」と思うなら、やはり「大丈夫、生きては帰れる」とドンと構えて、また自分がどうなっても安心できる環境で、すべてを受け入れることだと私は思います。

男性でも、好きな人とだとセックスが上手くいかない、というのはよく聞く話で、それは「相手に嫌われたくない、嫌な思いをさせたくない」という気持ちが緊張につながってしまい、身体が安心できないという面が大きいと思います。女性も同様で、案外どうでもいい相手のほうがイケる、という人も意外と多いのかもしれません。

だからこそ、そのような観点からも、パートナー間において、「イク」ことをゴールにしないほうが良い、と私は思っています。「好きでセックスしてて、いつかイケたらいいね~」とドンと構えているくらいのほうが、ある日ひょっこりイケてラッキー、という展開になりやすいように思うからです。

「準備」しか私たちにはできません。準備しても、上手くいかないことも多々あります。けれど、練習していればきっといつかは上手くいく、そのくらいのラフな感覚でいることが、案外イクために重要な心構えなのではないでしょうか。

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(文/fumumu編集部・るい

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