「触られたくらいで騒ぎやがって」と平気で書き込む人に伝えたい“法的リスク”
クラブやキャバクラで働いていたら、性加害を我慢しなくちゃいけないの? 法的問題点について弁護士に話を聞きました。
今年8月、俳優の香川照之さんの女性への性加害が報道され、騒動のなかで被害者を誹謗中傷するようなネットの書き込みが相次ぎ、議論に。
fumumu編集部では、セクハラ問題などに詳しい銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士にお話をうかがいました。
■ネットに溢れた「水商売なんだから」の声
香川さんが2019年7月に、東京・銀座のクラブにてホステスとして働いていた女性の下着を剥ぎ取り、胸を触るなどして、被害者の女性がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていることを、一部写真週刊誌が報道。
その後、クラブのママに対する別の暴力行為も報道され、香川さんは出演CMの打ち切り、番組も降板する事態となりました。
これを受けてインターネット上では、報道にショックを受けたという声に混じって「水商売なんだから性加害は当たり前」「そういうリスクがあるから高い金もらえるんだろ」「セクハラされるのも給料のうち」という声も多く上がり、物議を醸しています。
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■クラブ店でも「民法や刑法が適用されます」
「水商売なんだから」という言葉は、そうした職業に従事する人たちの人権があまりに軽視されているように感じます。
この問題について、齋藤弁護士は「キャバクラやクラブだから(性加害や暴力が)許容される、という法律上の論拠はありません。同じく民法や刑法が適用されます」とコメント。しかし、そうした店でのトラブルは「被害者側が許容する可能性が高い」という問題はあるといいます。
「一般の街角でこういった行為があればまず、許容されることはないでしょう。一方で、場所が場所だけに、思惑が錯綜される可能性はあるのではないでしょうか」と齋藤弁護士。
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