ジェンダーバイアス「女性らしさ」「男性らしさ」を取り巻く意見
ジェンダーバイアスを取り巻く議論の1つについて聞いてみました。
多様性が認められるようになりつつあり、女性も社会に進出したり、男性が育児に積極的に参入するようになったりと、男女平等に近づける働きかけがあるため、「女性はこう」「男性はこう」というジェンダーバイアス(ステレオタイプ)に嫌悪感や疑問を持つ人は少なくありません。
一方で、「女性らしさ」「男性らしさ」というジェンダーバイアスの撤廃に向けて働きかけをしてしまうと、「困った」と感じる人がいるのも事実で、この価値観を重視する人も存在します。
そこで、fumumu取材班は「女性らしさ」「男性らしさ」について、意見を聞いてみました。
①自分を抑圧する要素になる
「私は性自認が女性であるものの、男っぽいと言われて育ってきました。ランドセルは本当は黒が良かったし、服もモノトーンが好き。鬼ごっこや忍者ごっこ、カードゲームなど男子が好むとされる遊びが好きで、小さい頃は男友達に囲まれていました。
小学校後半になると、『お前、女だろう』と仲間に入れてもらなくなり、女性であることを悔やんだり、『女性らしさ』を求められることに抵抗感を覚えました。
私の場合、自分が本来ありたい姿に反して『女性らしさ』というジェンダーバイアスは存在し、周りからも『女の子なんだから』と言われることで抑圧させるものになりました。
もしXジェンダーなら、男性・女性で括れない性自認を持っているのに、肉体が女性であるために女性という枠組みで縛り付けられてしまうことになります。自由に生きるために、自分が自分であるために、『女だからこうあるべき』という考え方はなくなって欲しいです」(30代・女性)
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②自分を磨くための軸
「世間にある違和感として、『女らしさ』『男性らしさ』の存在を訴える団体がありましたが、それを無くそうとしないで欲しいです。
私たちは当たり前に、『女らしさ』という価値観が根付いていて、例えば好きな異性を落とすために女性らしくあろうと自分磨きをするなど、軸の1つになっているんです。
そういう考えの人はいてもいいですが、それを当たり前として過ごしている人が多い中で、その価値観を捻じ曲げようとしないで欲しいです。考えを押し付けないで欲しいんです」(20代・女性)