賀来賢人「盗撮は犯罪じゃないんですかね?」 プライバシー侵害の線引きとは…

俳優の賀来賢人さんが「何回も言いますが…」と”盗撮”について怒りを滲ませています

■弁護士の見解は?

ファンによる盗撮、記者による盗撮…そもそも“盗撮”の線引きとは…? 不明な点が多いため、齋藤健博弁護士に“盗撮”について伺いました。

――たとえば、一般の方が芸能人の方を無断で遠くから撮影していた場合は、罪になるのでしょうか。

齋藤:今回でいうと、賀来賢人さんは俳優を職業としています。「俳優」の位置づけはテレビなどで見かける存在になるわけですから、一定の公共性を有しているとも考えられます(有名税なんて言葉があるくらいです)。

ただ、政治家の方や公務員とは異なり、法律上プライバシー権が後退するような理由はありません。しかし、無断で撮影された人を特定しても、ただちに犯罪になるかといわれるとそうではありません。

しかし、過去にインスタグラムでも盗撮する人に向けての言葉を投稿し、無断で被写体を撮影する行為に対し明確な嫌悪の感情を示しているにもかかわらず、あえて接近して被写体を撮影する行為は、やはり人格権侵害・肖像権侵害の不法行為が成立する余地は十分あるのではないでしょうか。


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■「プライバシー」の線引きは?

――記者の場合「報道の自由」「表現の自由」なんて言葉もありますが。

齋藤:芸能人と記者だから…というより、記者側が正当な理由に基づいて表現の自由・出版の自由を行使し、その表現は社会的にも価値があるものである、と主張する場合には、芸能人側のプライバシーが、後退を強いられる可能性があります。

――撮影者が記者であり「社会的に価値がある」と主張しても、敗訴する可能性が高いものはあるのでしょうか。

齋藤:自宅内などの密室空間はとくに機密性、プライバシーが及びやすい空間であるといえます。

たとえば、ゴミ袋をゴミ捨て場ではなく自宅領域にまだ保管していたものを持ち帰って撮影したケースなど、自宅内部の延長といえるような空間では、やはりプライバシーの侵害にもなるのではないでしょうか。

逆に、公道ですとか、実際に他人から見られることが当然の前提となっているような場合などは、問題がないと判断されやすいでしょう。

プライバシーへの合理的期待が及んでいる空間かどうか、が重要です。

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有名人であるゆえ、プライベートな時間を追われてしまうのは致し方ない部分もあるかもしれません。しかし、ひとりの人間としての叫びには、耳を傾けたいものです。


■プロフィール

弁護士 齋藤健博

自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。セクハラや、浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
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(文/fumumu編集部・長谷川 瞳

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