おうち時間を楽しく!  iroha広報オススメ映画『髪結いの亭主 』

iroha広報が映画や書籍を紹介するシリーズ! 今回は日本1991年に公開された映画『髪結の亭主』!

■iroha広報がみた『髪結いの亭主』


【直接的な表現じゃないのにセクシー…犬飼がみた大人のエロス】

事前に「セクシーな映画だよ」と聞いていたので期待して観たのですが、本当にセクシー! 髪結いの亭主が仕事中の奥さんをひっそりと愛撫するシーンは、セックスそのものよりエロスを感じました。

映画全体に漂う空気がやや湿り気を帯びているためか、それとも髪結いの亭主の妻から漂う美しく掴みどころのない妖艶な雰囲気のせいか、全体を通してドキドキさせられる映画でした。


【老いの先にある性とは…本井がみた成熟するエロス】

作品のテーマとして、「性、老いること、愛」が心に残りました。妻は「老い」に怯えているようでしたが、個人的には「老い」もまたセクシーだと思うんですよね…。

10代20代が肉体的な最高地点だとしたら、精神的な最高地点はまさに現在なわけじゃないですか。老いるということは、それぞれの最高地点が大きく乖離するということで、どんどんエロスへの感受性も成熟していくのではないかと…。

ラブストーリーとしても楽しめるし、こういうテーマも深く考えられるし、いろいろな見方ができる映画です。


【エロスは細部に宿る…西野がみた「性愛のあり方」】

「(月刊TENGAの編集後記では)この作品に、『自分がエロスを感じるもの』の小さくない部分を形づくられた」と書きましたが、作品の特徴の中で、特に影響を受けたものがふたつあります。

ひとつは、映像なのに「触覚」や「嗅覚」がざわざわするような表現。

ヒロインであるマチルドは、肉感的な体をしているし笑顔がさびしげで、確かにそれだけでえっちなんです。でも、この映画が発しているエロスの源泉はそこだけじゃない。

たとえば柔らかな日の光に透ける産毛、優美なラインを描く指の動き。あるいは小さな理髪店に並ぶコロンや整髪料。そういった細部の映像が頭の中で交錯して、まろやかな体の感触や、人工的な香りと肌の匂いが混じった芳香までもイメージできてしまう。

「エロスは細部に宿る」とでも言うべき、衝撃的なことでした。

もうひとつは、情景描写と登場人物の行動の重なりです。

クライマックスの寸前では、突然の嵐がやってくる中、理髪店でマチルドとアントワーヌが激しいセックスに及びます。

ふたりの荒々しい姿と、吹き荒れる雨風や雷鳴がシンクロして、観ているこちらもふたりに渦巻く嵐を追体験しているような気持ちになります。決して過激な性描写ではないのに、ふたりの世界にぐっと入り込んでしまうのです。

暴風雨から窓一枚隔てれば激しい情事…というのは、理髪店という閉じた世界で交わされる、狭くて深い愛の絶頂が象徴的に描かれているシーンでもあると思います。「性愛とはそういうものだ」という強烈なメッセージを、理屈抜きに感じ取ったのでした。

そこからどんな結末に至るか、というのをここではお話しませんが、このシーンがあるからこそ結末が際立つのだと感じます。


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■iroha広報が語る「フェチ」と「ときめき」

さてさてみなさま、映画を観たくなってきたのではないでしょうか…! お次は映画にでてきた「要素」について、犬飼と本井が自由に語り合いたいと思います。

どうぞ、せんべいでも食べながら気楽に読んでください。

【あなたのフェチは?】

本井:映画では主人公が「床屋の娘」に何度も恋をしていましたよね。あれは一つのフェティシズムだったんじゃないかと思うんです。「床屋の娘」フェチ。犬飼さんはどんなフェチがありますか?

犬飼:私は「鼻」と「手」! 実は私、自分の「鼻」と「手」が昔からコンプレックスだったんです…。(鼻は低いし、手は小さいし…)

だからこそ、意識していなくても相手の鼻を見ちゃうんです。高くなくてもいいんですけど、形が綺麗で横から見たときに「いいなあ」と思える鼻を持った男性に出会うとグッと来てしまいます。

「手」は綺麗な手だとドキッとするというか、どちらかというと「性」を意識する部位かも。「綺麗な手だなー楽器とかやってたのかなー器用そうな手だなーセックスも器用なのかなー」のような感じで…笑

本井:自分の憧れパーツを持っている人にグッと来ちゃう気持ち、わかります…! 私は前の回にもお話したんですけれど、声なんですよね。

私も考えてみれば自分の声に自信ないですね。まず声が細くて通らないし、よく「聞こえない」と言われてきましたw すぐ省エネをしようとするので、口元だけで喋りますしね…。

(そういえば月刊TENGA17号「気持ちイイ声の作り方」でも、「改善の余地あり」ということで、ボイストレーナーの先生に特別レッスンを受けたなあ。頑張らねば…)

犬飼:ちなみに私は、根っからのB専なので、お顔は整っていないほうが好きです。ある意味これが一番のフェチかもしれません。

本井:普段から犬飼さんの顔の好みにはまったく共感できないんですよね!


【ときめいたシーンは?】

本井:映画では魅力的なシーンがたくさん出てきましたけれども、特にときめいたのはどんなところでしたか?

犬飼:2人で深夜にたばこを吸いながらお酒を飲むシーン。日中に喧嘩をして眠れない夜を過ごしていた主人公が起きると、妻がたばこを吸ってるんですけど、またそのシーンが綺麗なんですよね、ただたばこを吸ってるだけなのに。

そこから2人で吸いながら仲直りをするんですけど、その時に妻が「お酒が飲みたい」って言いだして、亭主が「じゃあ作ろう!」みたいな感じで家中(店中?)のアルコールを混ぜ合わせて得体のしれないものを作るんです。

その光景が楽しそうで、そしてとても自由なんです。そのままよくわからないお酒を飲んで交わって翌朝お店の中で目覚める。

一度は「こんな夜を過ごしてみたい」とあこがれるようなシーンでした。

本井:香水まで飲もうとするから、中毒死するんじゃないかとドキドキしながら見てました(笑)。

私は営業中の理髪店で、妻がお客さんの髪を洗っているのに、主人公がその後ろで愛撫し始めるシーンですね。「バレちゃうかも」という緊張感と「お客さんがいるのに」背徳感が混ざり合って最高にときめきましたね…。

二人とも常識にとらわれないというか、欲望に身を任せている様がなんとも印象深くて。こんなカップルだったら楽しいだろうなあと思いました。


■大人のエロス、カップルでの鑑賞にいかが?

今回はしっとりとしたエロスを堪能できる、『髪結いの亭主』をご紹介しました!

全編にわたる描写の美しさ、艶かしさとともに、主人公たちの無邪気さや自由さもまた、大人になって眠っていた本能を掻き立てられるような、ざわめきを呼び起こしてくれます。

雨の日に温かい飲み物でも飲みながら、カップルで語り合ってはいかがでしょうか?

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(文/fumumu編集部・iroha広報

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