おうち時間を楽しく! iroha広報オススメ映画『her/世界でひとつの彼女』
iroha広報が映画や書籍を紹介するシリーズ! 今回は日本で2014年に公開された映画『her/世界でひとつの彼女』をお届けします!
■思わずあなたも恋をする?『her/世界でひとつの彼女』
そして3つ目は、映画ジャーナリスト金原由佳さんがオススメする、人間とAIの恋愛模様を描いた作品、『her/世界でひとつの彼女』。
「ジョーカー」の狂気のこもった怪演で一躍知られるホアキン・フェニックスが、離婚の傷心から、軽い気持ちで購入した人工知能OS「サマンサ」の声と会話に溺れていく話です。
最初は、「AIと恋なんてあり得ない!コメディー要素が強いのかな?」なんて思っていたのですが、途中から「あれ?なんかこの恋素敵じゃない…?」となり、最後はその切なさに思わずジーンとしてしまいました。
というわけで、『her/世界でひとつの彼女』を観た感想を、iroha広報の2人で語り合いたいと思います!
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■iroha広報が観た『her/世界でひとつの彼女』
●映画を見た感想は?
本井:AIと人間の恋愛って、最初は直感的に「気持ち悪い」と思っていたんですよね。
AIに対するイメージが「人間の補助」的な立ち位置だったから、人間がAIを都合のいい存在に仕立てて、対等じゃないと思っていたんです。でもAIが人格を持っていて拒否権がある存在なら、なんだか遠距離の彼女と電話しているのと変わらないのかも…。
現代だと、なんなら自分のパソコンの中身って、もはやメモやら検索履歴やらが散らばっている、自分の内面そのものみたいな存在になっていますよね。だから、そんなパソコンを覗いた上で好きと言ってくれる人って、最高の存在なのでは…?と思います。
AIと人間という属性の違いゆえに、二人がうまくいかないシーンもあるのだけれど、それすらも私たちの日常にありふれた「すれ違いの恋模様」を描いているようで感情移入しちゃいました。
犬飼:最初はやっぱり「肉体のない存在」との恋愛って無理があるというか、恋愛に対する一種の逃げのように感じていましたが、主人公は逃げではなく、本当にAIである彼女のことを愛していて、それは恋愛という枠の中で見たときに、なにも否定できないことだなあと感じました。
あと、やっぱり恋愛で一番大事なのってコミュニケーションなんだなと。
毎日傍にいて顔を突き合わせていても通じ合えない人も大勢いる中で、彼らは密なコミュニケーションをずっと取り続けていて、だからこそ肉体を超えた圧倒的な距離感の近さを作ることが出来ているんですよね。
そう思うと、恋愛の一番根底の部分、大事な要素を改めて感じたような気がしました。
●この作品のポイントである声について
※字幕版では、スカーレット・ヨハンソンがAIの声を担当しています。
本井:当然のように吹き替えで観てしまったんですが(笑)。吹き替えの声で印象的だったのは、やはり声優の林原めぐみさん。落ち着いたトーン、掛け合いの間合いが絶妙で、ドキドキしました。
私は声で恋に落ちるタイプの人間なので、イヤホンをつけて好きな声に耳元で囁かれたら夢中になってしまいそうです。いつも「この人と付き合いたい!」と思うのはカラオケかスナックで歌声を聞いたときです。
なんていうか…曲はなんでもいいです。その人の声が最大限に堪能できる音量フォルテの伸ばしがあれば…(ちなみに私が好きなのは藤原竜也さんみたいな、腹から出した深みに加えて少しかすれ感のある声)。
犬飼:めっっっちゃいい声だった~。そりゃ主人公が惚れちゃうのも分かる…。最初は大人の女性って感じなのに、遊園地でデートするシーンがあるんですけど、そのときにはしゃぐ声がまるで幼い少女のようで…。
男女ともにモテる人の声って、そういう風に場面によって大人にも子供にもなれる声なのかなって思いました。
●最後に
AIの恋、ありだなと思いました。いつでもどこでも一緒にいられて、それこそ本当に夢中になってしまいそうじゃないですか?
ただこれは世代間ギャップがありそうで、デジタルでのコミュニケーションに慣れた若者の方がさらに共感できるものなのかもしれません…。
しかし一方で身体的な接触や感覚の共有というのも、私たちにとっては大事な要素なんだと考えさせられました。
字幕版の声がいいという話でしたが、吹き替え版の声もおすすめできます。
月刊TENGAの音声号で「心地いい声」について調べているので、そちらもぜひ見てくださいね!