不倫をしていないのに疑われる…「不倫冤罪」トラブル増加

身に覚えのない不倫疑惑をかけられるケースが最近多くなっています。弁護士が解説します。

不倫冤罪
(Digital Vision./Photodisc/Thinkstock/写真はイメージです)

「不倫なんてしていないのに、疑われて嫌がらせをされています」
「奥さんから慰謝料を請求すると言われました」


不倫と疑われてトラブルに巻き込まれたとの相談が最近増えています。

不倫の評判がたてば、周りからの信用を一気に失ってしまったり、裁判になって、相当な額の慰謝料を支払わなければいけない恐れもあったりします。このようなトラブルが増えたのは、どのような理由からなのでしょうか。



■トラブル増加の背景

ひとつには、SNSの普及があるでしょう。不倫相手に慰謝料を請求したいと相談に来る方も、SNSから発覚した例が多くなっています。

SNS上の会話は、絵文字やスタンプなどを使うことができます。同じ友人の間柄でも、文字だけの会話と、かわいらしい絵文字やスタンプを使った会話では、親密度が違って見えてきます。

普段のキャラクターとのギャップがあると、必要以上に親しげに見えてしまう場合が多いのです。

また、偶然パートナーの携帯を覗いてしまった場合など、前後の文脈が分からないと、事実を確かめるよりも不安が先行してしまい、軽率に相手が不倫をしていると決めつけてしまうこともあります。

夫や妻の携帯に送られたスタンプを見て、「浮気の証拠です!」と鬼の首を取ったように言われる方でも、実際に携帯のログを見てみたら、単なる同僚との業務連絡だったこともありました。



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■誰も幸せにならない「不倫冤罪」

冤罪ですから、疑った方にとっても疑われた方にとっても、良い結果は生みません。

不倫の事実がないにもかかわらず、夫婦仲が険悪になったり、職場関係や、友人関係にまで影響が出たりするでしょう。

疑った側も、職場に怒鳴り込むなどの行き過ぎた行動をしてしまうと、職場に大きな迷惑がかかるだけでなく、名誉毀損で訴えられてしまうこともあるのです。



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■不倫を疑われたら?

一般に、「やっていないことの証明」は、なかなか難しいでしょう。当たり前ですが、やっていないことの痕跡は残らないからです。

不倫を疑われたら、疑っている相手に対し、具体的な事実の主張と、きちんとした証拠の提示を求めていくべきでしょう。

疑わしい行動はしないのが第一ですが、もし不倫を疑われて訴えられた場合、こちらも理論立ててきちんと反論することが必要です。

このとき、難しいことでもありますが、相手を怒らせないことがポイントです。

まずは相手方の主張や言い分を証拠化(メールを廃棄しない、手紙などは捨てないなど)しつつ、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

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(文/fumumu編集部・松下 真由美(弁護士)

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