『魔女の宅急便』女の子が“このパイ嫌い”とこぼす理由 「深い」「しっくりきます」

「あたし、このパイ嫌いなのよね」キキに突き刺さる女の子の言葉。宮崎駿監督は、このシーンで“あること”を表していました。

魔女の宅急便
(画像はスタジオジブリ公式サイトより)

22日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、スタジオジブリ作品の『魔女の宅急便』を放送。

主人公のキキが、豪雨のなか「ニシンのパイ」を届けに行ったシーンがとくに印象に残っている人は多いのではないでしょうか。

【番組公式が紹介】宮崎駿監督のコメント


■冷たく突き刺さる「このパイ嫌いなのよね」

配達の仕事を始めたキキの元へ、あるとき老婦人から「パーティーをする孫娘へ、手料理を届けてほしい」という依頼が。

キキは、老婦人宅のかまどで「ニシンのパイ」を焼くのを手伝い、冷めないうちにと豪雨のなか急いでパイを届けに向かいます。

ところが、届け先の孫娘は、ずぶ濡れのキキから祖母のパイを受け取ると「あたし、このパイ嫌いなのよね」とこぼすのでした。


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■女の子はパイが「本当にいやなんですよ」

このシーンについて、2020年3月に同作が『金曜ロードショー』で放送された際、番組公式X(旧・ツイッター)は宮崎駿監督のコメントを紹介。

宮崎監督は「僕はあのパーティーの女の子が出てきた時のしゃべり方が気に入ってますけどね。あれは嘘をついていない、正直な言い方ですよ。本当にいやなんですよ、要らないっていうのに、またおばあちゃんが料理を送ってきて、みたいな。ああいうことは世間にはよくあることでしょ」と話していたといいます。


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■“働いてお金をもらう”ことの現実

同アカウントは続けて「それはあの場合、キキにとってはショッキングですごくダメージになることかもしれないけど、そうやって呑み下していかなければいけないことも、この世の中にはいっぱいあるわけですから」と、宮崎監督の言葉を紹介。

必ずしも相手に感謝されるとは限らないこと、ときにはツラい思いをすることもある…。働くなかで、多くの人が経験するリアルが描かれていたんですね。


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■「いいシーン」「深い」と反響

この解説には、ユーザーたちから「努力しても頑張っても必ずしも報われるとは、限らない。いいシーンだと思います」「深い」「大人になってもこのシーンにモヤモヤしてしまいます…でもこれが現実と言われるとしっくりしますね」と多くの反響が。

なかには、「きらいだし要らないって言ってるのに、なにもこんな雨の中運ばせるなんて…って思いもあるんじゃないかな?」「たしかにうちの祖母も何言っても聞かない聞かない。優しさだろうが、はっきりといらない。と言ってるのだから…っていう。誰も悪くない複雑な感じ」と孫娘の心情を考察するユーザーも見受けられました。

別の視点から観てみると印象が変わる、名場面ですね…!

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