『いちばんすきな花』10話 すべての価値観を受け入れなくていい理由に視聴者「現代に向けた言葉」

間違った多様性に主人公たちが物申す。秀逸な例えに思わず笑ってしまう視聴者も…。

いちばんすきな花
(画像は『いちばんすきな花公式HP』より)

14日放送のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)の10話「迫る引越し… 4人でやりたいこと」。

誰かと比べる必要はないし、悪意だけの決めつけを受け止める必要もない。みんな違ってみんないいと、改めて思わせてくれた主人公たちの声が、SNSでも共感を呼んだようです(ネタバレを含みます)。


■心ない誹謗中傷は受け入れなくていい

主人公のひとり、イラストレーターの紅葉(神尾楓珠)は落ち込んでいました。というのは、小説の表紙という初めての大きな仕事を終え喜んだのも束の間、紅葉の描いた表紙に対して、ネットで”ゴミ”と書き込まれているのを見てしまったから…。編集部の人には”気にしない方がいい、誰かと比べるのも無駄、いちいち気にしていたらきりがない”と励まされますが、ずっと元気がない様子。

そんな時、いつも他人の価値観に寛容なゆくえ(多部未華子)にまで「悪意に自覚ない人の言葉なんか聞かなくていい」と言われ、紅葉はつい言い返してしまうのでした。「ゴミかどうかって価値観なんでしょ。じゃあ否定できないでしょ。この人たちが自分の価値観でゴミって言ってんだから」と。

ゆくえが席を外した後、椿(松下洸平)と夜々(今田美桜)は、こんな話をします。大事だった婚約指輪は結婚できなかった今の椿にとって、ゴミ同然であること。夜々は、美容院の会員カードを忘れたことを後悔する人が一方で、ゴミ箱に捨てる人がいるのを知っていること。誰かにとっては大切なものでも、それをゴミと感じる人もいるというのは、価値観の違いであって人それぞれ。価値観を否定してはいけないけれど、必ず受け入れなければいけないということもないのだと。

たしかに、他人の考えや感覚を否定しないというのと、どんな価値観も受け入れるというのはまた別の話ですよね。この後帰ってきたゆくえは、椿や夜々と同じ話をして紅葉と仲直りするのでした。


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■受け入れるかは個人の自由

この4人の”ゴミ発言”に関するシーンには、視聴者から共感の声がたくさん上がりました。

「全部を全部そのまま受け止めようとしなくていいんだって思うだけで、心は少し軽くなる気がする」「人の価値観を否定するのはダメだけど、全て受け入れなきゃいけないのは違うって、分かるけど難しい。現代に向けた言葉だなぁと思う」「人によって何が正しいかは自他共に傷つけなければ、違っていいと思う。自分を傷つける他人の価値観まで、受け入れる必要はないよね」。

様々な価値観が認められるようになってきた今、誰かをわかろうとする優しい人にとって苦しさを感じる場面は増えたのかもしれません。

他人を否定してはいけないのというのは、誰にとっても同じ。それと同時に、自分が否定された時に傷ついてまで相手の価値観を肯定する必要はないですよね。


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■花束づくりと人間関係

ある日、椿は実家のフラワーショップへ家に飾るための花を買いに来ていました。自分の好きな花だけで花束を作ろうとしますが、バランスのいいものにはならず…。すると花屋である弟が、椿の代わりにお花を選びはじめ、「好きな花だけ集めたからっていい花束にはならないんだよ。大事なのは組み合わせだから」と、可愛らしい花束を完成させるのでした。

いろんな人がいることで、それぞれの良さがはじめてわかる。どれがいいとか優れているという話ではありません。ある人にとっては特別な花でも、他の誰かには素敵に思えなかったりする。素敵ではないと思う価値観は否定しないけれど、絶対に受け入れなければいけないことでもない。このことを覚えておくと、今までよりも少し楽に生きられるようになるかもしれません。

次週はついに最終話! 12/21(木)22時〜放送です。

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(文/fumumu編集部・福野 エリカ

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