“オーバードーズ”がトレンド入り 専門家が指摘する「市販薬の入手しやすさ」に疑問の声「そこじゃない」
「使われた市販薬」として最も多かった薬には、「女性なら分かるよね?なんで1位なのか」との声も。
17日、ツイッター(現・X)のトレンドには「オーバードーズ」がランクイン。
専門家が発表した「ドラッグストアなど実店舗での対策が必要」との指摘に問題視する声が相次いでいます。
■「市販薬の入手しやすさ」が原因?
「オーバードーズ」(市販薬の過剰摂取)がトレンドに入ったのは、16日に厚労省研究班が発表した調査がきっかけ。2021年5月~2022年12月に全国7救急医療機関に救急搬送された急性中毒患者は122人。平均年齢は25.8歳で、女性が97人(79.5%)を占めているといいます。
死亡例はないものの、吐き気や意識障害、錯乱などの症状で搬送されたケースもあり、研究班の上條吉人さん・埼玉医大臨床中毒センター長は「市販薬の入手しやすさが関係しており、ドラッグストアなど実店舗での対策が必要」と指摘。
この指摘に、ネット上では「オーバードーズに女性が多いからといって、薬局で買いにくくするのではなくて、貧困・虐待・DVといった、女性が抱えやすい問題を解決する必要があるのでは?」「薬の入手しやすさを問題視してるけどそうじゃねえだろ!? 誰もこの生きづらさや強烈な苦痛から心を救ってくれないし、もうどうしようもねえから仕方なく飲んでるんだろうがよ!」「そこじゃない。指摘が的外れすぎる」など疑問の声が相次いでいます。
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■虐待・DVは「過去最多」を更新
今年3月に警察庁が発表した「昨年1年間に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した児童数」では、11万5762(前年比7.1%増)、摘発件数も前年比7件増の2181件で、18年連続で過去最多を更新。
また「全国の警察が受理した配偶者などパートナーからの暴力(DV)」の相談件数は前年比1.8%増の8万4496件で、19年連続で最多を更新しています。
「若年女性を中心に依存・乱用が広がっている恐れ」と発表された今回、市販薬に依存してしまった背景には、これらの問題が関係していないのか調べる必要がありそうです。
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■女性が解熱鎮痛剤を使用するのは…
そのほか、注目すべきなのは「使われた市販薬」として最も多かったのは解熱鎮痛剤(24.9%)であること。これに対しては「女性なら分かるよね?なんで1位なのか。 生理だと思うのよ。 毎月1週間程の内、1番痛みが強い1-4日目に飲む人が多いと思う。私もその1人だったし」「多分生理痛で飲んでる人多いよね。きっつい生理痛を和らげるために何度か服用するのを“薬中”言われたらしんどいわ」「なんで飲んでるのか調べてる?」など、生理に関係しているのでは? との声もあがっています。
今回の発表を報じた記事内では「その目的は現実逃避」とも記されています。「生理痛」を理由に会社を休みにくい現状、家事育児に追われる日々を過ごす女性が、「なんとか今日を乗り切る」ために手を伸ばすのが解熱鎮痛剤なのではないでしょうか。
現実逃避ではなく、現実を生きるための対処法として使用している市販薬の「規制」を選択するのではなく、多量の服用をした女性の背景・抱えている問題に耳を傾け、調査することに期待したいですね。
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(文/fumumu編集部・冬野 とまと)