香港アカデミー賞10部門ノミネートの『星くずの片隅で』から、世界の片隅で生き抜く術を考える

コロナ禍の香港を舞台に、そこで日々暮らす人々をやさしく見つめる『星くずの片隅で』が7月14日公開。

『星くずの片隅で』
(©mm2 Studios Hong Kong)

2020年、コロナ禍で静まり返った香港を舞台に、都会の片隅でひっそりと生きる人々の姿を描いた『星くずの片隅で』が、7月14日より公開。

時代の波に影響を受けながらも、日々を暮らしていく方法を、本作から探ってみましょう。


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■コロナ禍の香港、2020年

『星くずの片隅で』
(©mm2 Studios Hong Kong)

『星くずの片隅で』は、台湾アカデミー賞3部門、香港電影評論学会大奨6部門、香港アカデミー賞10部門ノミネートという快挙を成し遂げたヒューマンドラマ。

コロナ禍の香港を舞台に、消毒作業を行う「ピーターパンクリーニング」の経営者ザク(ルイス・チョン)と、そこのスタッフとなるシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)を通して、街の一角で静かに生き抜く人々の術を、やさしい眼差しで映し出します。


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■人と人がお互いを見つめる姿

『星くずの片隅で』
(©mm2 Studios Hong Kong)

本作が単独デビュー作となるラム・サム監督は、「どんなことが起きても、希望を持つこと。こういう時代だからこそ、家族や恋人、友人という関係性だけではない、人と人がお互いを見つめ、助け合う姿を描かなくてはいけないと思いました」と語ります。

確かにザクとキャンディの関係は、恋人同士になっても不自然ではない設定ですが、そうした色恋沙汰は息を潜め、2人は純粋な思いやりを持つ者同士として描かれます。


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■破壊から得たものは何か

『星くずの片隅で』
(©mm2 Studios Hong Kong)

結局、コロナ禍では、多くのものが失われ、ザクにもキャンディにも「破壊」は訪れます。ですが同時に、得たものもあったはずで、本作は、それは何かと私たち観る者にも問いかけます。

ラスト、ザクが一人静かに行動を起こすのですが、おそらくそれが答えなのでしょう。私たちは、どんなことが起きても、自分のできることを淡々と行うだけ。そしてそれは、私たちが日々を生き抜くための力になるのではないでしょうか?

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『星くずの片隅で』

2023年7月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ポレポレ東中野ほか全国ロードショー

公式サイトはこちら

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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