アダルト業界関係者が感じた「AV新法」と適正AV業界の激震

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■「AV新法」の施行

今、アダルトビデオ業界には激震が走っています。というのも「AV出演被害防止・救済法」、いわゆる「AV新法」が、2022年6月15日に成立し、同月22日に公布・23日に施行されたためです。

この法律は、他の法律に比べて異例のスピードで成立・施行に至った、と言われています。発端となったのは4月から成人年齢が18歳に引き下げられたことで、これに伴い「18歳・19歳がAVの出演契約を取り消せなくなり、高校生らの出演被害が増える」との意見が出たことです。

結果として、4月に与党のプロジェクトチームが発足し、2か月ほどで新しい法律の制定に至りました。大まかな内容は以下になります。

①作品発表後1年間は、出演者が無条件で契約解除できる(施行後2年は2年間)

②業者(制作会社等)に出演への説明や契約を義務付ける

③契約から撮影まで1か月、撮影から発表まで4か月を空ける


もちろん出演被害はなくさなくてはならないですし、成人年齢引き下げに伴う迅速な対応が求められたことは承知の上ですが、元々は「18歳・19歳を出演被害から守る」という目的で始まったプロジェクトが、たった2か月で、「AV出演者すべて」を対象とした大規模な法律制定へと至ったことになります。

しかもその2か月の間、この法律の影響を一番受けるであろう現役AV出演者や「適正AV」メーカーへのヒアリングはほとんど行われなかった、という話が各所から上がっています。


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■「適正AV」とは?

私たちが普段目にしている「アダルトビデオ=AV」には、大きく分けて「適正AV」と「同人AV」という2つの区分が存在します。

2017年に「出演強要問題」が取りざたされて以降、AV業界では業界の発展と健全化を目的として「AV人権倫理機構」という非営利団体を設立し、第三者機関として法務監督を委託していました。

この「AV人権倫理機構」に加盟している正規メーカーやAV女優所属事務所などが制作したAVが「適正AV」であり、逆に未加盟なためにメジャーな流通経路に作品を出せないのが「同人AV」です。

実際、私が業界に入ってからも、AV人権倫理機構の監査を経て、加盟団体から外されたAV女優所属事務所などもあります。適正AV業界では、出演強要などの問題が起こらないよう、すでに自主規制を行ってきたのです。

そして、10代の出演においてもすでに自主規制を行っており、ここ数年「18歳・19歳の女優数はゼロ」の状態であったとAV人権倫理機構は通達を出しています。今回の法律制定のきっかけとなったそもそもの目的が、少なくとも適正AV業界では、第三者機関による監査と各団体の自主規制によって元々果たされていたことになります。

(参考文献:人権倫通達第2226号)

適正AV業界では、プロダクションに所属する際・メーカーが面接をする際・撮影当日などに、毎回必ず顔写真付きの身分証明書で年齢確認を行います。10代を保護者の同意なしに出演させることがないよう、何重にもチェックしてきたのです。

続きを読む ■1か月前の契約

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