おうちで映画三昧のススメ:同性愛者の権利向上に尽力した『ミルク』
男子シンクロ高飛び込み金メダリストの夫が脚本を手がけた、映画『ミルク』に見るLGBTの歴史
7月29日まで開催中の「レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)」。応援の意を込めて、LGBTQをテーマにしたおすすめ映画をご紹介しています。
今回は、前回と同じガス・ヴァン・サント監督が2008年に製作し、翌年の第81回アカデミー賞脚本賞を受賞した『ミルク』です。
脚本を手がけたのは、ダスティン・ランス・ブラック。「東京オリンピック2020」男子シンクロ高飛び込みで、金メダルを獲得したイギリスのトーマス・デーリー選手のパートナーです。
デーリー選手の言葉と共に、『ミルク』の歴史を探ってみましょう。
■ハーヴェイ・ミルクとは?
『ミルク』は、1977年から78年まで、アメリカ・サンフランシスコ市政執行委員を務めたハーヴェイ・ミルクの活躍を描いた作品。
ミルクは同性愛者を公言して、アメリカで初めて公職についた人物とされており、公立学校における同性愛者の教師の解雇を義務付ける制度撤廃に尽力するなど、同性愛者の権利向上に貢献しました。
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■ショーン・ペンがオスカー受賞
ところが、政治家になってからわずか10ヶ月後の1978年11月27日、同じ元委員のダン・ホワイトに狙撃されて、ミルクは命を落としてしまいます。享年48歳でした。
そのミルク役を、名優ショーン・ペンが演じ、2009年の第81回アカデミー賞主演男優賞を受賞。同じく、ダスティン・ランス・ブラックが脚本賞に輝いています。
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