マンガ本の表紙をSNSに載せたら…著作権の侵害になる?

好きな漫画をSNSやブログで紹介するときの注意点を弁護士が解説します。

漫画本
(justtscott/istock/Thinkstock/写真はイメージです)

好きな漫画を自分のSNSやブログで紹介したいと思ったとき、法的に気を付けなければならないことがあります。

漫画の単行本を写真に撮って、SNSに掲載する場合は注意が必要です。


■漫画の表紙も著作物

漫画本の表紙は、著作物であり、表紙をデザインしたデザイナーと漫画の作者の共同著作物となっています。つまり、作者とデザイナーの双方が著作権を持っているのです一般的には、表紙の著作権は出版社に譲渡されています)。

そのため、自身のSNSで表紙画像を掲載すると、厳密にいえば著作権を侵害する行為となりえますしかし、実際は、著作権者や出版社から著作権侵害で訴えられることは基本的にありません。

SNSには宣伝効果があるため、販売促進になるとして、むしろ歓迎している作者・出版社も多いのが実情です。


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■漫画のコマ画を紹介する場合

では、漫画本のコマも紹介したい場合はどうでしょうか?

コマには作者の著作権が生じていますので、勝手に公開する行為は著作権を侵害する行為となりえます。

ただし、適法な「引用」の条件を満たしていれば、著作権侵害ではないとされることがあります。


条件の中で一番重要なポイントは、引用する側の著作物が「主」で、引用される側の著作物が「従」といえること――主従関係です。

主従関係は、引用した画像の量や、引用の目的を基に判断されます。

例を挙げると、考察ブログなどで、1コマのみ引用し、自分の考察を600文字書いた場合、引用したブログが「主」で、引用された漫画のコマが「従」であるといえる可能性が高いと考えられます。

一方で、漫画のコマを多数引用し、自身の考察がほとんどない場合には、適法な「引用」とはならず、著作権侵害となっている可能性があります。


漫画の表紙を写真に撮って掲載する場合には、販促に寄与するものとしてお咎めがないことが多いですが、漫画のコマを引用する場合には、適法な「引用」の範囲になっているかどうかについて、とくに注意をしましょう。

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(文/fumumu編集部

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