マッチングアプリのプロフ写真が筋肉とスーツの「首から下だけ男」 その正体は…

結婚を夢見るモノマネ芸人・小出真保が、マッチングアプリで出会った人とのアレコレを吐き出します。

■砕けちる筋肉とスーツ

待ち合わせの日。新宿南口、GAP付近。私の心臓は、今まで以上にバクバクしているなか、「まもなく着きます、エスカレーター降りたところにいます」と彼からメッセージ。

「いよいよだ、どんな人が来るんだろう。優しいし、顔はわからないけど、筋肉ムキムキでスーツ姿。きっとかっこいいに決まってる。そんなお方とデートするなんて…」ニヤニヤが止まらない。しかも妄想はどんどんたくましくなり、いつの間にか、顔はディーン・フジオカレベルを妄想していました。

そして5分後、「着きました、ダウンコートに茶色いハンチングかぶってます」とのメッセージを受信。

ハンチング…? ハンチングに激しく違和感を感じた直後、彼を発見しました。バカでした。私は、バカでした。どうして、顔写真がないのに「首から下だけ男」を信じたのだろう。

嘘…この人なの?! いや…でもこの人だとは決まっていない。ほかのハンチング男性かもしれない…!

「まほさんですよね?」

この人だー!!! 銀縁メガネ、猫背、なんだか冷たい目、そしてダウンコートに茶色いハンチング。全体的に疲れきっていました。

筋肉は? スーツは? そんな写真達は、一気に脳内から吹き飛びました。


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■レストラン予約のワード、再び

彼を「編集所から出てきた5日間寝てない昭和のディレクター」と、新たなあだ名を考えながらも、私は震えていました。どうしよう。どうしよう。

すると…「焼き鳥屋さん予約してるんですよ、行きましょうか? 大丈夫ですか?」 予約!!! きたー! 予約というワードに弱すぎる私。レストラン予約を39歳まで味わったことがなかった私に、また、予約のご褒美きたー!!

「はい、大丈夫です、行きましょう」…そして私は、ホイホイと焼き鳥屋さんに向かっていました。

「首から下だけ男」は、「すみませんねぇ、こんなので」と、なんだか謙虚。「大丈夫でしたか? 何飲まれますか? お酒飲めますか?」礼儀も正しい。そして、やっぱり醸し出してくるこの余裕。

その後、軽く会話をしながら相手の年齢を聞くと39歳! 一気に親近感! トークは続きました。


■その正体は…

仕事について「かなり堅い仕事。公務員のような」と話す彼に「公務員って何系ですか?」と踏み込んでみると、「あの…○○省なんですよ」と、かなりのエリートであることが発覚。そんな真面目なはずの人種がマッチングアプリTにいるという事実に衝撃です。

私自身は「マスコミ関係」と伝えていましたが、経歴をカミングアウトしてくれたので「芸人なんです!」とカミングアウト。

「私は一般の方と結婚したいんです、できたら」と話す私に、彼は「そうなんだ。だったら、マッチングアプリじゃない方がいいんじゃないかなー、結婚相談所とかの方がいいらしいよ」と助言まで。まただ、醸し出してくる余裕。もしかして…。

私「でも、そちらも探してるんですよね?」


彼「何を?」


私「何をって、彼女とか、パートナーとか」


彼「いますもん。奥さんいますもん」


あーあ、そういうことでした。丁寧なやりとり、安心感、そして、余裕。すべて、なるほどな、こんなにシンプルなことだったかと納得しました。なんでわからなかったんだろう。

そこで私は、ずっとツッコめなかったことを、ついにツッコミました。

私「ていうかさ、ちょっと! 写真と、全っ然、違うじゃんー!! なんだあの筋肉! スーツ! どこにあるんだよ! 期待しちゃったよー! あと不倫はダメです。奥さん大切にしてください」


彼「奥さんのことは愛してるよ」


私「どういうこと?」


彼「だって、やっぱりそれはそれですよ、モテたいですもん、じゃあ、今日はダメか、遊べないかー、報告しないと」


なんて? ほ…報告? 混乱しながらも「えっと、あの載せてる写真って、一体何なんですか?」と質問すると、見せてくれたのは、とある団体のグループLINE。

見たこともなかった、知りたくもなかった世界がそこには広がっていました。こんな世界があるんだ…。

次回、この恐怖の「グループLINE」話は、次回に続く! そして「自己肯定感男」との出会いも!? 乞うご期待!

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(文/fumumu編集部・こいで まほ

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