マッチングアプリで出会った彼氏が無理矢理読ませようとする本 それより欲しいのはゼクシィ

マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。


■それは成長には繋がらない

あっちゃんのYouTubeを見せてくるえびおくんは「これこれ」と嬉しそうに、本を紹介している動画を開いてきます、無理矢理見せられている私。しかも、2倍速再生。あっちゃんがめちゃくちゃ早口で話している状態。これが若者がよくやる2倍速再生か。あっちゃんは芸人さんなんだから2倍速されてるのって失礼じゃない? 間とかテンポも大切なのに! と、私は思ってしまいますが、言えません。

ただ、見ていると私も入り込んではしまいました、たまにクスッと笑ったりすると、えびおくんはまた嬉しそうに「笑ってる〜」と言ってきます。動画が終わり「ね、今、やらなきゃいけないことがあるんだよ」「本当の成功は、何を習慣にするか」「成長するために時間を使う」などいつものセリフを言い、そして「あっちゃんのオンラインサロンも入るんだぁ〜♪」と言いながら、引き続きあっちゃんの新しくアップされた動画を2倍速で見ていました。

私は、じゃあ何をしようかな? と、Netflixを開いて韓流ドラマを見ることにしました。これはこれで幸せな時間。すると「何見てるの?」と、えびおくん。この韓流ドラマが面白くて、と説明すると、「うーん、あまり成長には繋がらないかな」。え、ここでもそれ出てくるのか?!

「結局、ドラマとかって娯楽じゃん、その時楽しいだけで、成長はしていないと思う」。いや、これはいいじゃん、別に。成長とかに繋げなくても。何か、ちょっとおかしくない? こわい…。私は彼から狂気性を感じてきました。



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■「成長」

隠れて検索しました。「成長 やたら口にする 男 特徴」と。すると、出てきたのは「実は自分に自信がない、自己肯定感が低い」との文字が。なるほど、まぁ、そうだよね、なんとなく気付いてはいました。やっぱりマッチングアプリでよく会っていたカジュアル男とは違う。えびおくんは続けて「ドラマは楽しいから見ちゃうのはわかるよ、でも、そこを抑えて、時間の使い方を考えなきゃいけないというか」。ため息が出てきました。うるさい…。

私は、流せる人間ではありません、しかも今、余裕がありません。気づけば「だって、私、ものまね芸人だもん!! 韓流スターのものまねするから!! 研究してるの!!」と、キレながら言い返していました。この後、本当にたまたまものまねをすることになったのですが、この時はこれも仕事だと言わないと黙らないと感じました。すると「なるほどね…」と言いながらやっと黙ったえびおくん。

私は不機嫌になりました、何でも仕事に結びつけてくるのは疲れる…。そういえば芸人の彼氏だとそれがあるから、なるべく一般会社員の人がいいなと思って、やっとそういう人と付き合えたと思ったのに。むしろ常に、仕事の話ばかり…。思っていたのとは違いました。



■機嫌が直る魔法の言葉

不機嫌な空気を感じ取ったのか、えびおくんは「まほちゃんなら出来ると思うから」「まほちゃんと一緒にがんばりたい」そう言ってきました。そして、機嫌が一気に直る言葉も言ってくるのです。

「将来、大きな部屋に住みたいし、まほちゃんと」。そうなの?! そんなこと思ってくれてたの? それってやっぱり結婚しようってことだよね? 早く早く! 私は気分屋で単純なので、すぐに舞い上がります。このたまにくれるキュンキュンってたまらないのです。

それが恋愛の良いところでもあります。つまり、私に惚れてるってことね? しかも、仕事が忙しくなったのも私があげまんってことだよねぇ! と、急に調子に乗り出す私。このまま早くプロポーズしてくれないかなぁ。日々そればかり考えるようになりました。

激務サラリーマンと暇な女芸人の恋愛は上手くいくのか? また、自分のことばかりで彼の自己肯定感の低さを包み込むことができない…というか、自己肯定感ってなに? もしかして、私も低いかもしれない? 続く!



■執筆者プロフィール

小出真保:太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。

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(文/fumumu編集部・こいで まほ

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