ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』(2013年):「イケジョ」作品のススメ
イケてる女優「イケジョ」のススメ:ルピタ・ニョンゴ。全方位の演劇人。
いつも美しく、輝きを放ち続けるイケてる女性、「イケジョ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』の11月11日公開を記念して、本作で、スーパーヒーロー「ブラックパンサー」こと、ワカンダ国王ティ・チャラの元恋人で、スパイのナキア役に扮しているルピタ・ニョンゴです!
■『永遠のワカンダ』
マーベルコミックのスーパーヒーロー、「ブラックパンサー」を主人公に据えた実写版『ブラックパンサー』(2018年)。その2作目となる『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』がいよいよ公開になります。
『ブラックパンサー』は、タイトルロールを演じたチャドウィック・ボーズマンのイチオシおすすめ出演作として、以前ご紹介していますが、残念ながらボーズマンは、2020年にガンで逝去。
『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』は、ボーズマンの代役を立てることなく制作され、スクリーンの中で「ボーズマン版ブラックパンサー」が生きているような設定は、ファンにはうれしい限りです。
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■ブラックビューティー代表格
その中で、ブラックパンサーの幼なじみで、元恋人ナキアを演じているのが、ルピタ・ニョンゴ。ナキアは、弱者を救うため、スパイ「ウォー・ドッグ」のメンバーとして、世界各国で活動している活発で聡明な女性です。
このナキアのほか、『スター・ウォーズ』シリーズで、「パイレーツ・クイーン」の異名を持つマズ・カナタなど、メジャー大作に名を連ねるルピタは、 1983年3月1日年メキシコ生まれ、ケニア育ち。いまやブラックビューティーを代表する「イケジョ」の1人です。
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■体当たりのプランテーション奴隷
そんなルピタのイチオシおすすめ作は、やはり彼女にアカデミー賞助演女優賞をもたらした『それでも夜は明ける』(2013年)でしょう。
本作は、19世紀のアメリカを舞台に、誘拐され、奴隷として売られたソロモン・ノーサップの奴隷体験記を実写化したもの。ノーサップは、法律的には奴隷ではない黒人で、「自由黒人」と呼ばれる実在の人物です。
その中でルピタは、 プランテーションの支配人エップス(マイケル・ファスベンダー)の下で働く奴隷パッツィーを熱演。過酷な労働に耐え、エップスから性的暴行を受けているキャラクターです。
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■全方位から撮影OKの演技力
本作はほぼ実話をもとにしているといえど、あまりにも奴隷の扱われ方がひどすぎて、最後まで直視するのに耐えかねるほどリアル。ですが、パッツィーが虐げられるシーンでは、ルピタの演技に釘付けにならざるをえません。
ルピタは俳優になる前に、映画の制作スタッフとして働いており、自身でも映画の監督・脚本・制作を担当するなど、いわば制作の裏側を熟知していました。そのためか、ルピタ演じるパッツィーは、360度どの方向から撮影しても、背中しか映っていなくても、虐げられて苦しんでいるのが伝わってくるのです。
この「全方位から撮影OK」の演技ができる演劇人は稀有な存在。それこそがルピタの真骨頂であり、顔の表情が見えなくても伝わってくるルピタの表現に注目です。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)