ひとりぼっちの夜に読みたい 孤独に寄り添ってくれる『夜廻り猫』

心で泣いているときに、そっと寄り添ってくれる『夜廻り猫』。その魅力をお伝えします。

『夜廻り猫』は、『エデンの東北』『ハガネの女』『カンナさーん!』などで知られる深谷かほるさんが描く8コマ漫画。口コミで人気を集め、第21回手塚治虫文化賞の短編賞も受賞しています。

2015年10月に突如としてTwitterに現れた、1匹の夜回り猫。「泣く子はいねが~」と涙の匂いをたどりながら、現代社会を生き抜く人にそっと寄り添うお猫さまです。

夜の孤独に苦しんでいるときに、すぐに手に取れるように。できればベッドのそばに置きておきたい『夜廻り猫』。その魅力をお伝えします。


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■『夜廻り猫』- 深谷かほるさん(講談社)

「泣く子はいねが~ 泣いてる子はいねが~」

太陽が沈んで、とっぷり暗くなった夜。涙のにおいをたどって、夜廻り猫は現れます。その名は遠藤平蔵(えんどう へいぞう)

自分の将来が見えない若者、いじめを受けている学生、病気と懸命に戦っている子ども、母の介護で心の余裕を持てない娘、ときには歯が痛い女性のところにも。

「む 涙の匂い!」

夜回り猫の平蔵は敏感に涙の匂いを察知して、その人のところへ向かいます。苦しみに少しでも寄り添えるように。苦しむ人が、ちゃんと夜をこえられるように。

「もし そこなおまいさん 泣いておられるな? 心で」

涙を流していなくても、グッと歯を食いしばっていても。心で流す涙を、平蔵はちゃんと気づいてくれるのです。


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■愚痴を聞き、ときには黙ってそばにいる

平蔵は、目の前の人に「ああしろこうしろ」とアドバイスはしません。

ときには相手の愚痴を聞き、ときには一緒にご飯を食べる「おまいさんは頑張っておる。とても頑張っておる」と相手を肯定するときもあれば、なにも言わずにただ寄り添うときもある。

それって、悩んだときに、私たちが誰かにやってほしいことではないですか?

ただ話を聞いてほしい、共感してほしい、そばにいてほしい、やさしくしてほしい! それらを、平蔵はやってくれる。その姿の、なんと頼もしいこと。なんと心強いこと。

現実では、求めてもいないアドバイスをされたり、なぜか「私だったら or 俺だったら、絶対こうするけどな~!」と鼻高々で言われたり。相談した結果、より気持ちが複雑になってしまった…という方もきっといると思います。

そんな方こそ、『夜廻り猫』を手に取ってほしい。きっと、自分を肯定してくれる言葉をいくつも見つけられるはずですよ。

続きを読む ■幸せを願いたくなるキャラクター

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