辻仁成、日本の現状に言及 「タイミングはとっくに過ぎた」

辻仁成さんが、専門用語について解説しています。

パリのロックダウン
(jacus/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

パリ在住で作家の辻仁成さんは2日、新型コロナウイルスによって飛び交う「ロックダウン」と「緊急事態宣言」の違いをブログで解説しました。


■「東京都内で新型感染者97人」

辻仁成さんは、「東京都内で新型感染者97人」という報道を受けて、「日本医師会が訴えていた危険レベルを超えたということだ。医療崩壊の兆しはすでに始まっているのかもしれない」と言及しました。

ニューヨーク市が3月7日に緊急事態宣言を発動したときは、東京都内感染者よりも少ない州内の感染者の数は76名。4月2日には感染者数が8万人超え、死者数1941人担っていた点に触れ、「強制的検査をしての数字じゃなく、症状のある患者が病院に運び込まれて出た数字である。なので、その後ろには相当数の感染者がいると思うべき」と述べました。


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■「タイミングはとっくに過ぎた」

日本政府は緊急事態宣言をまだ出すべき状況にないと話していますが、辻さんは「ある程度の感染爆発は免れない段階なので、先手先手で挑んだニューヨーク州でもこれほどの拡大になったということを鑑みると、緊急事態宣言発動が必要なタイミングはとっくに過ぎたと言わざるを得ない」と考察。

「数字の推移を見ていると、極めて危険な状態であり、その心構えが政府にあるのか」と疑問をこぼしました。


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■緊急事態宣言とロックダウン

SNSでは、ロックダウンと緊急事態宣言を同一視・混同している人が多く見受けられます。そのためか、辻さんは「ところで今更だけど、緊急事態宣言とロックダウンは一緒ではない」と違いを解説し始めました。

フランスの場合にロックダウンという名称は使わないものの、コンフィヌモン(封じ込め)と呼ばれ、『外出の原則禁止、テレワークと自宅待機、生活必需品小売射販売店以外の店舗や事業の閉鎖、都市感での移動制限など』のいわゆる封じ込め政策を指す状況にあり、これがいわゆるロックダウンだと説明。

日本の法特別措置法が規定出来るのは、外出の「自粛要請」やイベント開催制限の要請・指示どまりで、不要不急の外出に罰金を科す強制力もありません。

しかし、もし日本で「緊急事態宣言」が出れば、この宣言がロックダウンに近い状態を形成する可能性があると辻さんは予想。そのため、「まずは緊急事態宣言でも有効かもしれない」と持論を綴りました。

最後に「3密を防ぐ有効な手段にはなる。日本政府がすでに水面下で用意周到な発動準備を整え終えていることを祈りたい」と願いを込めて締めました。

カタカナ用語が飛び交い「わかりづらい」との言葉も多いですが、感染者・死亡者の数字が増えていっている中で、命を守るために新型コロナウイルスの脅威を制する正しい判断をしてほしいですね。

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(文/fumumu編集部・fumumu編集部

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